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エッチな体験談

別れたくて寝取ってもらった彼女への愛に気づいたときには遅かった

  
話長いので、暇潰しに読んでもらえれば。

時系列は少しフェイク入れてます。あとかなり最低男なんで、悪しからず。

俺は治雄、会社員28歳

彼女葉子、会社員23歳

秋介、自営28歳(自称非常勤役員?)

俺には付き合って三年になる彼女、葉子がいた。

彼女が大学生の頃からの付き合い。

可愛いいから俺の方から交際を申し込んだのがキッカケだけど、葉子は葉子で俺のルックスが気に入って付き合ってくれたらしい。

因みに、俺はそこまでいい男だとは思わないけど、上の下くらいではあると思う。

葉子は益若?を崇拝していて、実際外見や発言はどことなくホンワカとした雰囲気を醸し出していた。
ただ、つけまつげを絶対にしなかったのは、やはりスッピンにも結構自信を持っていたからだと思う。

葉子が左にいる生活は楽しかったけど、彼女が就職して半年も経った頃から、何となく結婚を意識するような発言をするようになっていった。

女なんて大抵結婚に憧れる生き物だとは分かっていたし、就職して視野が広くなって葉子も感化されたのかな、程度に思っていたが、次第に結婚を匂わせる発言、例えばお互い親に紹介しよう、とかがかなり多くなり、正直少しウザく思い始めていた。

俺は結婚願望が無いわけではないが、そう思える相手がいれば自然とそうなる、という考え方。

葉子と付き合い始めた頃も、彼女が運命の人になればいいな、という思いも当然あったし。

だけど彼女がそう願えば願う程、俺の心は少しづつ彼女から離れていったような気がする。

つまり、俺にとって葉子は「運命の人」ではなかったようだ。

凄く可愛いし、セックスの相性だっていい。

何より、外見とは裏腹な少し控え目で大人しい性格から、俺にはかなり居心地の良い相手でもあった。

なのに、だ。

彼女の存在が少しでも鬱陶しく感じ始めると、もうダメだった。

土日はいつも一緒だったのに、それからは男友達とバイクで出掛けるようになったり、上司とゴルフに出掛けたり、知らず知らずの内に葉子を避けるようになっていった。

はっきり言って、やりたい時にいきなり呼び出したりする事も多くなっていったが、葉子は一切文句を言わずに日曜の夜だろうと俺の部屋に来てくれた。

そんな時も葉子はいつも笑顔で接してくれ、好き勝手で自分よがりなセックスをしても満足してる「ふり」をしてくれていた。

ある夜、いつものように自分が射精する為だけのセックスを終えた後、寂しそうに笑いながら「大好きだよ」と言ってくれた葉子の顔を見た瞬間、俺は覚悟を決めた。

これ以上彼女を苦しめてはいけない、と。

別れを告げた時、彼女は泣きながら「ずっと恐かった」と言っていた。

俺の気持ちが離れかけていた事に彼女は気付いていて、彼女なりに俺の心を取り戻そうと必死だったようだ。

どんなに仕事で疲れていようが、どんなに外が土砂降りだろうが、俺に呼ばれたら本当に嬉しかったらしい。

俺から別れを告げられるかも、といつもビクビクしながらも……

俺は泣きながら話す彼女を見て、「悪い事をしてしまった…」と感じた。

更にこの気持ちに気付いて俺は益々彼女との関係は修復できないと思った。

本当に好きになった相手なら気持ちを共感するはずだ。

少なくとも他人行儀に「悪い事をした」と思うのではなく、一緒に悲しい気持ちになるはずだと俺はいつも感じていたから。

事実、葉子とも最初はそういう関係は築けていたんだけどね。

ただただ彼女を苦しめた事を謝罪する事しか出来ない俺に、彼女はもう一度チャンスを下さいと言った。

結局葉子とはその時に別れる事はなく、その後も付き合いは続いた。

俺ももう一度彼女を愛そうと努力し、彼女は俺にもう一度振り向いてもらえるよう努力していた。

ある時は彼女があれだけ嫌っていたつけまつげをした事もあった。

俺がつけましてる女を見て「エロいっつうか、色っぽいよな」と呟いていたのを聞いていたらしい。

俺にはそんな事を言った記憶はないのだが…

暫くそれまでと変わらない生活を続けたが、やはり俺の気持ちは変わらなかった。

葉子は文句一つ言わずにいつも明るく振る舞ってくれていたけど、そんな葉子を見るのが辛く、二度目の別れを告げたのはそれから一ヶ月後。

でもその時も葉子は別れに同意してくれず、そばに居させてくれるだけでいい、俺に好きな人が出来たら身を引くから、と言われ号泣された。

大人しい方だが決して泣き虫なんかではない彼女が号泣する姿は、それなりに胸に詰まされる思いだったが、この時でさえきっぱり別れる事が出来なかった俺は、本当に情けない男だと思う。

それからは鬱々とした、どうも気分の晴れない日々を過ごすのだが、葉子がいる身で他の女を好きになるなんて器用な事が出来ない俺は、逆に葉子がいっそ他の男を好きになってくれれば、と思うようになっていった。

今思えば、この時の間違った考え方がその後の俺の歪んだ性癖を生むキッカケになったと思う。

ある夜、同僚と飲んでいる時に酔った勢いでこの事を口を滑らせて言ってしまった。

どちらかと言うと陰気で、二次元が恋人みたいなオタク気質の同僚に、あんな美人を泣かすなんて罰当たりだ云々とかなり罵倒されたが、最後に秋介という男を紹介してやると言われた。

つまり、秋介と葉子を引き合わせれば、確実に葉子は秋介に気持ちを奪われる、というのだった。

酔った頭で同僚の言う事を理解するのは大変だった…

翌日、改めて同僚に確認すると、この秋介という男は凄いイケメンで女遊びに長けているという。

本当に葉子と別れたいのなら、この男に会わせればあっという間に葉子は落ちるだろうと。

オタクとイケメンの接点がよく分からなかったが、俺にその気が本当にあるのなら一度会わせてくれると言っていた。

勿論、お願いした。

仕事を早々に終え、スタバで同僚と一緒に秋介と会う事にした。

間も無く、長身でサングラスをかけた男が近付いて来る。

遠くからでもオーラを放つその男を何人もの女が振り返る、それ位の男だった、秋介という男は。

高級な身なりどころか、パーカーとジーンズという格好のその男がサングラスを外すと、男の俺でも一瞬息を飲むほどの男前だった…

長瀬智也と草刈正雄を足して二で割ったような小さな顔、適度に筋肉のついた広い肩幅、長い足。

カッコ付ける為にグラサンするのは普通だけど、カッコよ過ぎてそれを隠す為にグラサンするなんて初めて聞いた。

秋介曰く、あれは誰?芸能人?とかなんとか言われながら指を指されるのが死ぬ程嫌になったと。

三人とも同い年という事もあってすぐに打ち解けたが、最後に秋介に「治雄君も最中に連絡入れた方がいい人?」と聞かれ、すぐにオタクが「治雄の場合は別れさせさえすれば良いみたいだから」と遮っていた。

秋介から「自分の彼女や嫁を差し出す人の中で稀にそういう性癖の人がいる」と聞いた。

この時の俺は寝取られの嗜好が何もなかったので、兎に角葉子との事で何か進展があった時に連絡くれればいいよ、とだけ返事した。

早速、会社帰りに四人での飲み会をセッティングした。

葉子はウッキウキ…

彼女は俺の同僚や友人達との飲み会はいつもハイテンションだ。

俺の知り合いに紹介してくれてるみたいな感じが嬉しいんだと。

オタクとは何度か面識もあったし、オタクに美人だ!可愛い!とかいつも褒められまくっていたから、そういうのもテンションを上げるのに一役買っていたのかもしれない。

予定通り、三十分程遅れて秋介が登場。

相変わらずカジュアルな格好だが、店に入るや否や、そこにいた女達の視線を集め始める。

俺は葉子の最初の反応が楽しみだった。

俺が隣にいるのにも関わらず、恐らく秋介に一瞬でも釘付けになるだろうと思った。

それは予定通りでもあるのだが、正直本当にもしそうなったら少し妬けるかも、とも思っていた。

「今晩わ」そう言いながら葉子の向かい側に座る秋介。

葉子は秋介の存在にハッと気付くと、軽く席を立ってお辞儀をした。

でも、それだけ。

一礼してまたお喋り再開。

全くいつもの通り。秋介を特に見るわけでもなく、あまりに普通。

ちょっと拍子抜けしてしまった。

適度にお酒が入って葉子も饒舌になるが、いつもの通り目の前の男ども三人に満遍なく会話を振りながら気配りも忘れない。

思わずオタクとも目を合わせたけど、葉子も秋介も自然体そのまま。

寧ろ俺とオタクの二人の方が挙動不審なくらい。

期待外れでガッカリ来たのと、ほんの少しホッとしたのも事実。矛盾してるけどね。

一度葉子がトイレに行った時、微妙に追い掛ける感じで秋介が後を追ったけど、やっぱりその時も何も無かった。

結局期待した事は何も起きなく、飲み会はお開きとなり、俺は最寄り駅まで葉子を送った。

途中、「秋介って、凄いカッコ良かったな」と振ると「そうだね。でも治雄の方が全然カッコいいよ」とニッコリ微笑む葉子。

今回の作戦は失敗か?と思ったが、でも葉子の笑顔を見るとそんな事はどうでもよく、いや寧ろ失敗して良かったかな?と、相変わらず矛盾だらけの俺。

だが、イケメンの手の早さは凡人の考えるレベルでは追いつかなかった。

部屋に着いた頃、秋介からメールが来た。

「これから葉子ちゃんにメールするから」

いつの間にアドレス交換していたのだろう…

俺は慌てて秋介に電話して、どうやってアドレスを聞いたのか質問した。

どうやらトイレの時に葉子に聞いたようだが、葉子は直接教える事はなく、そんなに知りたければオタク君に聞いたら?と答えたとの事。

確かにオタクと葉子はアドレス交換はしているが、殆どメールした事はないはず。

この時、俺は得体の知れない妙な興奮を感じていた。

これから起こる事に対する期待感とかではなく、秋介とのやり取りについて葉子が一言も俺に話さなかったということに、だ。

眠れないでいると、三十分位後に秋介から電話が来た。

来週、また四人で飲みに行く事になったと。

秋介は葉子にメールではなく、電話で喋ったと言っていた。

「メールはまどろっこしくて」と、俺にも電話で報告してきた。

秋介は葉子に二人で飲みに行こうと誘ったらしいが、葉子に「ダメだよそんな事を言っちゃ。治雄とオタク君には内緒にしてあげるから、もうそんな事言わないでね」との事で、なら四人で、となったらしい。

「でも治雄君とオタクはドタキャンという事で頼むね」と秋介に最後に言われた。

いよいよ秋介のペースで「別れさせ」が始まった。

当日、オタクのドタキャンは秋介の口から伝える事にして、俺は待ち合わせの五分前に葉子にドタキャンを電話連絡。

葉子のテンションは下がりまくりで、なら今日は無しにする、という彼女を説得するのが大変だった。

「オタクもいるから、一時間だけでも付き合ってやってくれ」

と言って無理矢理参加させた。

俺が部屋に着くと9時。

誰からも連絡は来ない。

6時待ち合わせの店に葉子がいったら、そこには秋介一人だけ、というシチュエーションのはず。

何も連絡がないという事は、間違いなく二人で飲んでいるはず。

もう興味を無くしかけている筈の女なのに、何故か胸が熱くなる。

今までは俺の掌で踊っていた女が、他の男と三時間以上一緒にいる。

俺はシャワーを浴びる時間すら惜しんで、ひたすら秋介からの連絡を待った。

暫くすると、来た。秋介からのメール。

「今2件目、カラオケボックス。悪いけど、本当に俺行っちゃうよ」

行っちゃうって、どういう意味?

落としにかかるという事か?それとも、まさか射精するという事?!葉子に?

頭が混乱したが、もう今更俺にはどうする事もできない。

何をするつもり?とリメールしても音沙汰なし。

これが11時まで続いた。

「葉子ちゃんの唇貰ったよ」

たった一行のメール。

その一行のメールを見ながら、俺はオナにした。

そしてあっという間に射精した。

もう好きだとは思えない女のはずなのに、心の奥底から湧き上がるようなドス黒い感覚。

そして異様なまでに勃起した自分の股間を見て戸惑った。

「詳しい事はまた後日」

秋介からのそのメールを見た後、速攻で葉子に電話。

でも出ない。

まさか、キスの先を今二人で?……

再び勃起。もうどうしようもないくらい硬く硬く勃起。

右手を猿のように上下させて、結局それから三回射精してやっと落ち着いた。

夜は一時を回っていたが、二人から一切連絡はなし。

これが俺の生まれて始めての寝取られせ、です。

ここから色んな歯車が狂ってしまいました。

結局、あの夜は二人から連絡はなくて悶々として朝を迎えた。

これって嫉妬?とか思い始め、何故別れようと思った彼女に対してこんな気持ちになるのか分からなかった。

と言うか、そういう心を認めたくなかったんだと思う。

それで午前中秋介から電話があったんだけど、あいつすぐに「なんか動揺してない?」と俺の気持ちを見透かしていた。

「心配しなくてもいいよwキス止まりだから」

と言われた時は正直ホッとしてしまった。

このキスも、秋介が歌ってる時に丁度そういう雰囲気の歌詞のところで、どさくさでキスしたらしく「酔っていたのもあるけど、意外とすんなりと」いったらしい。

帰りは手を繋いで途中まで送ってくれたようだが、何気に俺はそれが一番こたえたような気がする。

次回の約束はその時取り付けたけど、二人で、とは葉子は思っていないはずとの事。

「その辺はっきりさせると約束してくれないから。微妙にズラしといた」

その日の夜、仕事を終えて帰ると平日にも関わらず葉子が部屋に居た。

昨夜の事を俺に謝るつもりなのかと思ったらそうではなく、キスした事は一切言わなかった。

ただ、「あの人と一緒だと、ジロジロ見られて恥ずかしかった」とだけ言っていた。

秋介とのキスの事を隠す葉子に異常に興奮した俺は、その夜葉子を抱きまくった。

一度くらい射精しても興奮は収まらない。

付き合い始めた頃のように、連続でその後も二回抱いた。

葉子もいつになく興奮していたようで、俺の口中を彼女の舌が下品なほどに舐めまわしてきた時には、勃起が半端なかった…

多分……秋介の事が頭から離れていなかったんだろう。

悔しくもあり、嬉しくもあり、が正直な気持ちだった。

その週末、四人で飲む事になった。

何も知らないオタクが俺と葉子と秋介を誘い、元からそのつもりだった葉子が二つ返事、秋介が間にはいる隙もなかった。

しかし、この飲み会で二人の仲は大きく前進してしまう。

途中、葉子がトイレの為に席を立ったのを追い掛けるように秋介がついて行き、20分程戻らない時があった。

俺はその時何かあったはずだと思ったが、葉子はそんな素振りは一切見せない。

でもそんな態度が俺を益々興奮させた。

一次会が終わった頃、秋介が方向が同じなので葉子を送っていくと言い出し、それに対して何も反論しない葉子。

こういう事だったのかと。

後で秋介から聞いた話。トイレ付近での出来事。

葉子がトイレから出てくるのを待ち構えていきなりキス。

葉子は結構抵抗したらしいが。

「治雄から二人はうまくいってないと聞いている」と言うと、凄く驚いた様子だったとの事。

そのまま「男は嫉妬させるのが一番だよ。

治雄を嫉妬させれば葉子ちゃんの方を振り向いてくれるかも」と、言葉巧みに口説き、この時一緒に帰る約束をしたらしい。

「途中まで一緒に帰るだけだからね?」と何度も葉子は念を押していたと言う。

ただ秋介に言わせれば、「この時点で既に落ちてたよ。俺は大義名分を様子ちゃんに与えただけ。彼女自身に対する言い訳を作ってあげただけだよ」との事。

俺は信じられなかった。つい数日前にあれだけ激しく抱き合ったのに、「前回二人で会った時に半落ち」していたと秋介は言っていた。

事実この夜、挿れる寸前まで二人は行った。

全て秋介から聞いただけだから、本当かどうかなんて分からない。

まして葉子は相変わらず何も言わなかったから。

だけど秋介が嘘を付く理由もない。

秋介から聞いたその夜の事。会話は俺なりに色を付けた。

二人で手を繋いで歓楽街から少し離れたところを歩いていると、「秋介さんと一緒にいると視線が痛いw」と言われた。

「嫌なの?」と聞くと「そんな事もないけど」との事。

何も言わずにホテルの前まで行くと「私そんなつもりじゃない」と流石に渋ったらしく、秋介は無理をせずに公園に誘った。

そこで肩をだいてキス。

最初硬かった葉子の表情も、何度もキスをしているうちに柔らかくなった。

「キス、上手だね」

「誰と比べてるの?」

「……」

みたいなやり取りだったらしい。俺はここで勃起してしまった。

慣れてくると舌を入れても抵抗しなくなったので、どさくさで胸を触ろうとするとやんわりと断られた。

「だめだよ…私彼氏いるんだから」と言ってたらしいが、ならばという事で葉子の手を導いて秋介の股間をジーンズの上から触らせたらしい。

葉子はおっかなびっくり、だけど手をどかせようとはしなかった。

ただ一言、「凄いね……」と言ってたらしい。

秋介は「俺の立たせたら超デカイ」とは以前から言ってはいた。

お互い服の上からあれこれイチャついた所で「俺、もう行かなきゃ」と秋介の方から帰ろうとしたとの事。

で、「今度の水曜日の7時にここで待っている。キスの先をお前としたい。嫌なら来なくてもいい。今日の綺麗な身体のまま、来てくれたら嬉しい」と言って葉子を置いて帰ってきたらしい。

この話を聞いてから水曜日まではもうドキドキで、何も無かったかのように毎日俺に電話してくる葉子が愛しくて堪らなかった。

そしてどうしても水曜日になる前に葉子を抱きたくて、火曜日の朝に今夜俺の部屋に来い!と言ったんだけど、

「また後で連絡する」とだけ言って電話を切る葉子。

その日の午後、葉子からは電話ではなくメールが来た。

「今日はやっぱり行けない。週末に行くからね!ごめんね」

本当に来れない理由があったのかもしれないけど、であれば必ず葉子は理由を言うはず。それを言わないということは……

と考えるだけで勃起して酷かった……

当然、三回くらい自慰。

水曜日、約束の時間キッカリに秋介は公園へ。

葉子が現れたのは30分後くらい。

「いつまでも待ってるって言ったから……」と真っ赤な顔で言い訳していたとの事。

「だから、もう大丈夫だから。おうちに帰ってね?」

みたいな意味不明な事を言っていたらしい。

秋介は何も言わずに手を引いてホテルに向かうと、途中少し嫌がったそぶり見せたけど、基本従順だったとの事。

エレベーターの中で握った手を恋人繋ぎに変えると、葉子はギュッと握り返してきたので、そっと顔を寄せると葉子の方から唇を預けてきた。

「綺麗なままの身体?」と聞くと、葉子は恥ずかしそうに微かに頷いていたとの事。

綺麗な身体とは、つまり俺とはエッチしてないという事。

そして部屋に入るとシャワーも浴びずにすぐに抱いたとの事。

一回戦後、葉子が一人でシャワーに行った時、秋介は俺にメールしてきた。

「今、一回抱いたところ。俺のセフレにしようかと思うんだけど、いいよね?」

返答に困ってしまった。

本来、別れさせてさえくれれば良いはずで、その後の事は関係ないと思ってたのに。

苦し紛れに、「終わったら連絡くれ」とリメール。

するとすぐに秋介から「終わるの、下手すると朝だよ。俺は明日何もないから」と来た。

それでも良いからとだけメールした。

実際、興奮して目が冴えていたので、夜中の0時になっても全然眠たく無かった。

と、言いつつも知らず知らずの内に寝てしまっていたようで、

目覚ましで朝の6時にいつも通り起こされた。

慌てて携帯を見てみると、朝の4時に秋介からメールか入っていた。

「ほぼ7時間に渡る拷問が今終わりました(笑)」と書いてあった。

あいつなりのジョークなのかもしれないが、一体どんな事があったのか聞きたくて聞きたくて仕方無くなり、秋介に電話してしまった。

でもすぐに出る秋介。葉子は始発で自宅に戻り、その後着替えてから出社すると言っていたらしい。

「あの子もタフだね。俺以上にタフかも(笑)俺は帰って寝るわ」

「拷問ってなんだよ!」

秋介は後でゆっくり話すので今は勘弁してくれ、と言っていたが、朝っぱらから悶々としていた俺はしつこく食い下がった。

秋介は笑いながら教えてくれた。

五回やった事。

最初の一回だけはゴムを付けたが、後は全て生という事も。

最後に「葉子ちゃんと相性いいかもしれない。だからセフレにしていいよな?」と言われた。

また答えに詰まっていると、「やっぱり治雄もMじゃないか(笑)」と笑われた。

始めて秋介に葉子が抱かれた翌日、夜に秋介からその時の事を聞く事にはなっていたんだけど、午前中葉子に「昨夜全然連絡なかったけど、ひょっとして飲んだくれてた?(笑)」とふざけてメールしてみた。

また嘘つくのかな?だとすると、ムカつくけど興奮するかも、と思いながらリメールを待っている間にもう勃起。

しかもこれがまたなかなかリメールが来ない。

明らかに動揺してるか、言い訳考えてるか、だよなと。

それで昼に来たメールには「ちゃんと家にいたよ。ちょっと熱っぽかったから」と書いてあった。

確かに「秋介とセックスしてました」なんて言えるわけないけど、それでも嘘を付く葉子が愛しくて可愛くて、そして滅茶苦茶にしたい衝動にあっという間に駆られてしまう。

熱は大丈夫かと心配しながらも、もう大丈夫だよという答えを引き出して逃げ場を無くしつつ、「じゃあ今夜会おうよ。絶対会いたい!」と強くラブコール。

するとまた微妙に間が空いてから、「ごめん、今日は○○子と約束あるから」と、また苦し紛れに言い訳。

単純に朝まで生で秋介にやられてたからだろと突っ込み入れたくなった。

でも俺も秋介とやって丸一日も経ってないのは嫌だから、これ以上は突っ込まずに、笑って許してやった。

その日の夜、秋介とオタクの三人で飲み。

俺も秋介もオタクの存在は全然気にならないので、ありのまま秋介に昨夜の事を話してもらった。

まず一番俺が気になってたのは「拷問」の事。

拷問みたいな酷いドSを葉子にやったのか、或いは葉子みたいな女とするのが秋介的に拷問だったのか?と。

秋介は笑いながら答えた。

「そんなんじゃなくて。いや、いき過ぎると拷問らしいから、女は。最後の方は声枯れてたよ葉子ちゃん」

五回やったと秋介は今朝言ってたけど、それは秋介が射精した話で、葉子自身は「数えきれない位」いってたらしい。

ちょっと唖然としてしまい、あんぐりと口を開けてると隣でサラッとオタクが言った。

「秋介、あれデカイから。身体全部女泣かせなんだよ」

俺的にはネット知識だが必ずしも女は大きいのを好むわけではない、寧ろ痛がるから不人気、との認識だったから、ちょっと意外だった。

秋介は笑いながら「それはその通りだけと、結局は「使いよう」だよ」と言っていた。

暗にテクもあるんだぞ、という事だろう。

でもそういう理由以上に葉子とは「相性」がいいとも言っていた。

秋介曰く、葉子は非常にいきやすく、抱き心地の良い身体との事。

「抱き締めた時に身体が溶け合うように肌が一体化する感覚」があるらしい。

俺としては誰とやっても同じく一体感は感じられるので、秋介の言ってる意味はあまり理解できなかった。

昨夜の事を細かく話せと言うと、

「やっぱり治雄ってMだろ?彼女他人に抱かせて興奮するんだろ?だからやってる時連絡するかって聞いたのに(笑)」と言いつつも、以下の事を事細かに話してくれた。

まず部屋に入ってからキスすると、拒みはしないものの無抵抗、無反応。

次にキスしながら服を脱がそうとすると少し抵抗し始めた。

こういう時は秋介は無理をせず、まず自分が脱ぐ事にしているとの事。

自分のベルトに手を掛けて脱ごうとすると葉子はやんわりと「え?本当に?……」と言ったけど無視して下半身裸になった。

当然勃起したチンポが露わになるのだが、大抵の女はここで黙るらしい。

葉子も同じだったとの事。

もう一度キスすると、ちゃんと舌も絡めてくれたし、背中に手を回してもくれた。

その後はお姫様抱っこでベッドに運び、徐々に脱がせて一通り愛撫して挿入。

ここまでは余裕を保ちながら、相手の様子を伺いながら優しく抱くらしい。

この時点で葉子が奥で感じられる女という事、Mっ気があるという事、自分に対して好意を持っている事を確信したとの事。

一回目終えた後、散々いきまくっていたくせに、葉子は少し泣いていたみたい。

秋介はあえて気付かないふりしたらしい。

そして葉子がシャワーを浴びてる間に俺に連絡、その後すぐにシャワー室に入ろうとするが、頑なに拒まれたので部屋で待機。

シャワー終えてベッドに戻ってきた葉子はバスタオルを身体に巻いたまま。

「着替えないんだね、今日遅くなっていいって事だね?」と聞くと、慌てて服を着ようと立ち上がったので、押さえ付けてキス。

そして至近距離で見つめる。とにかく見つめる。

最初は恥ずかしがって目を背けるけど、次第に目を合わせ始め、真っ赤な顔で とろんとした表情になったとの事。

秋介はこの瞬間が大好きだそうだ。

「自分のものになった」と実感できるからだそうだ。

そのまま二回戦へ。

一回目同様、受け身の姿勢は変わらなかったものの、結構声を出してくれたとの事。

「やっぱり奥が1番いい声出る(笑)」らしく、ガン突きして何度もいかせたらしい。

そして途中でコンドームを外したんだけど、葉子は息も絶え絶えに虚ろにそれを見つめるだけ。

「このまま、いい?」の問い掛けには「中で出さないで」とだけしか言わなかったとの事。

これは俺はちょっと信じられなかった。

今までは安全日でもなかなか生はさせてくれなかったし、恐らくこの日は安全日ではなかったから。

秋介は葉子のお腹の上に射精した後、暫く添い寝。

「葉子ちゃんがグッタリして動けなくなったから」との事だったが、これまたセックスの後にグッタリした葉子を俺は見た事がなかった。

寧ろいつも事後はピンピンして超明るい…

この時、ベッドの中で色々と話したらしいが「面倒くさい(笑)」との事で秋介は教えてくれなかった。

「今度する時があったら聞かせてあげるよ」と言っていた。

こういった会話の内容は、後日嫌になる程聞かされるのだが、秋介は寝取られ好きの喜ぶツボをよく心得ているようで、俺は会話だけで相当興奮してしまった。

秋介が葉子のお尻の穴を触った時の葉子の喘ぎ声がエロっぽかったらしく、三回戦に突入しようとしたら頑なに拒まれたとの事。

「壊れちゃう」との理由だったらしいが、勃起したアレを見せつけると葉子自ら顔を股間に埋めてきてくれたとの事。

「思ったよりも上手かった。思ったよりは、だけど」と秋介は言っていたが、ちゃんと口の中で射精、飲んでくれたらしい。

ここ、その日の一番か二番の鬱勃起ポイント。

何故なら葉子は俺以外のは飲んだ事ないし、飲みたくもないと言ってたから。

さすがに精液まで飲み込んでしまうと、

葉子も今更泣き言とかは一切言わなくなり、寧ろ笑顔で秋介と接していたとの事。

その後再びシャワー浴びに行く葉子について行くと今度は一緒に入ってくれた。

そして、秋介の身体を洗ってくれたらしい。

「フェラはまあまあだったけど、手技は超上手かった」と、秋介は事細かに説明を始めた。

ボディーシャンプーを沢山アレになすり付け、両手で扱くように洗いながら、指で輪を作るようにしてカリの下をグリグリ刺激してきたと言っていた。

俺は自分がされていた時の事を思い出して勃起させたりしていたが、ふと隣見るとオタクの様子がどうもおかしい。

顔真っ赤にして、どう見ても興奮している。

そう言えばオタクは葉子の大ファンだった。

この三人の中では、一番葉子の事を本気で想っていたかもしれない(笑)。

その後、我慢出来なくなった秋介は四回戦目をバスルームで泡だらけのまま始めたとの事。

片脚を思いっきり高く抱えて、横から抱きしめるようにして。

葉子の感じ方も半端なく、秋介はかなり興奮したと言っていた。

で、四度目も葉子の口の中へ流し込んで終了……

シャワーを出ると、さすがに秋介もグッタリと疲れ、ベッドの上に素っ裸で大の字で横になった。

隣で服に着替える葉子を見ながら、うつらうつらしていると、着替え終わった葉子が隣に座り、これから帰ると言い出した。

もう夜中の2時を回っており、電車なんて無いし帰れないよ?と言うと黙ってしまう。

ああ、なんだ、また大義名分が欲しいだけか、と気付いた秋介は、始発で帰るように促し、取り敢えず一緒に布団の中に入り、イチャイチャしたとの事。

ただ、秋介のあそこはピクリともせずに無反応なまま。

でも葉子は目が冴えたようで、寧ろさっきまでよりも元気になったよう。

取り敢えず、AVを付けてダラダラ過ごすことに。

「朝まで結構時間あるね」

「そうね」

「何してようか」

「だね……」

一瞬寝てしまった秋介が目を覚ましたのは、股間に生暖かい感触がしたから。

そう、服を着たまま葉子がフェラしていたとの事。

すこし驚いて、葉子の頭を撫でてみたけど、無言のままゆっくり顔を上下させる葉子。

寝ている間にすっかり勃起させられたアレを上から眺め、30分以上ずっと葉子にフェラされていたとの事。

葉子はクスッと笑うと下半身だけ裸になって騎乗位でゆっくり腰を下ろしてきた。

ここまでずっと無言。

興奮した秋介は、荒々しく葉子の上着を剥ぎ取るように脱がせると、夢中で秋介の唇にキスをしてきて、かなり激しく舌を絡め合ったとの事。

五回目はこんな感じで一方的に葉子が上で踊りまくって絞り出された、と言っていた。

「腰振りもなかなかだったよ。でもこの時のキスは凄かったよ。完全に開き直ってたみたい(笑)」

五回目も葉子の口の中に射精。

秋介の話はこんな感じでした。

話を全部聞き終わるとドッと疲れが出たと言うか、虚脱感が半端なかった。

それを見た秋介に「まだ彼女の事好きなんじゃないの?」と言われたけど、正直この時は自分でも葉子の事をどう思ってるのか分からなかった。

単に人に取られると思った瞬間に勿体なくなっただけなのかもしれないしと。

面白かったのは隣のオタク。明らかに動揺しまくり。

実際秋介の話はもっと生々しかったので、オタクにとってはハードルが高かったかもしれない。

「オタクって葉子ちゃんの事好きだろ?」

何気にサラッと言う秋介。

「好きっていうか……だって治雄の彼女だろ」

思わず「え?」と言ってしまった。

「俺の彼女じゃなかったら、お前付き合いたかったの?」

「……」

三次元の実物の女に興味があるとは思わなかったのでちょっと驚いた。

…てか、こんなエロくない話はいいか。

結局部屋に戻ってから一人で二回抜いた(笑)

抜いた後でも葉子と会う約束の土曜日が待ち遠しかった。

早く会いたくて会いたくて、セックスしたくて仕方なかった。

金曜日の夜の事、秋介から耳を疑うメールが入った。

「葉子ちゃん、明日治雄と会う事になってたんだよな?でもドタキャンされるよ多分。俺と会う事になったから。悪いね」

もう、リメールする気にもなれなかった。

一の矢、二の矢を次々と出す秋介。ただひたすら感心するのみ。

すぐに葉子に「明日朝から俺の部屋で、な」とメールを入れたが、また反応がない。

以前は俺からの連絡には即反応していた葉子は、もう最近ではこのように間が空く事が多くなっていった。

ただその事実だけで勃起しそうになる俺も俺だけど。

暫くして「分かったよ。超楽しみ!」と絵文字満載のリメールがあったが、心のどこかで「心にもない事を」と考えてしまう自分もいた。

翌日、かなり早く目が覚めてしまった。

小学生の遠足ではないけど、それくらいドキドキしてしまった(笑)

葉子はどっちを選ぶのかって。

9時くらいだったか、秋介からメールが入った。

「負けた。やっぱり治雄のとこ行くって、葉子ちゃん」

思わずガッツポーズ。で、ふと我に帰り、別れようと思っている相手に俺は何ガッツポーズしてんだよ、と(笑)

心はウキウキ、まるで付き合い始めた頃みたいで、我ながら恥ずかしかった。

昼少し前に葉子から連絡があったので駅まで迎えに行ってそのまま軽く昼食を取って俺の部屋に。

すぐにも襲い掛かりたかったけど、なぜか俺緊張。

散々秋介に抱かれていた事を知っていたからか、何と無くぎこちなさを自分自身感じていた。

取り敢えずコーヒー入れたりDVD見てたりしてたんだけど、部屋に来て多分三時間も経っていないのに葉子が言った。

「ゴメン、今日はもう帰ろうかな…」

熱があるらしく、ちょっと気だるそう。

顔を触ると確かに熱いような気はした。

具合が悪いのに俺に会いに来てくれた葉子。

まして秋介の誘いを断ってまで、と考えると、馬鹿な俺は今更「やっぱり俺は葉子の事が好きなのかも」と思ってしまった。

葉子の部屋まで送ると言ったけど、タクシーで帰るから大丈夫と言われ、見送った。

この時は本当に心配してしまった。

俺が無理させたのか、とか自分を責めるくらいに。

その後、何気なく秋介にメールして、その事を話した。

すると秋介から電話があり、「じゃあ葉子ちゃん誘ってみようかな」ときた。

「は?秋介何言ってんの?葉子具合悪いのに」

「いや、ダメもとでちょっと誘うだけだから(笑)」

流石に少し不愉快だった。

相手が具合が悪いと言っているのに、秋介は何を考えているのかと。

俺の静止をノラリクラリとかわした秋介から連絡にはがあったのは、その日の7時頃。

いつもの通り電話だった。

が、こちらが電話に出ても何も言わない秋介。

不思議に思っていると、不意に聞こえた俺の想像をはるかに超えた現実。

「あっ!あっ!あっ!あたしも、あたしもっ!いくっ、いくっ、もうだめぇっ」

葉子の声だった。

そしてすぐに電話は切れてしまった。

秋介からの電話が切れた後、頭を掻き毟りたくなるような嫉妬と興奮でいても立ってもいられない。

やっぱりまだ俺は葉子に気持ちがあるんたまろうか?と葛藤するばかり。

そしてこちらから秋介に電話しようかどうか迷っている内に再び電話が来た。

基本的にこの後も都度かかってくる秋介からの最中の電話というのは、単純にやってる時だけじゃなくて、寧ろ色々と会話してる時に連絡してくる。

俺が鬱々とするようにわざと会話をそっちの方に持っていってるみたいだ。

秋介からの電話は事後のような静けさから始まった。

耳を凝らせば微かに葉子の呼吸する声も聞こえた。

以下、一応覚えている範囲で。彼女の微妙な声とかはフェイクです。

「今日も盛大にいってたね」

「……いやだぁ」

葉子は笑っていた。

秋介の問い掛けに笑いながら答えていた。

具合が悪いと俺に言っておきながら、秋介に抱かれてまるで恋人同士のようにピロートークを続ける葉子に、正直腹が立った。

「でも具合悪いって言ってなかった?」

「悪いよぉ」

「じゃあ何で来てくれたの?」

「秋介くんがしつこいからでしょ(笑)」

笑い合う二人。時折ベッドが大きく軋む音が聞こえたり、擽り合うようなじゃれる声が漏れ伝わってくる。

「治雄心配してるんじゃない?連絡してみたら?」

「うん……」

「今してみたら?」

「え?うん、あ、いや治雄君の話は、今はちょっと……」

「てかさ、何で上手くいってないの?」

「何でって……あの人なんか秋介君に言ってた?」

「別に。葉子ちゃんはどうなの?」

「うん……」

「何?」

「私、嫌われちゃってるかも。飽きられたかも(笑)」

「なんでそう思うの?」

「なんか…前と違うから。心ここにあらずって感じで」

「そうなんだ……葉子ちゃん、こんなに可愛いのにね」

「ふふ、ありがと」

「なぁ、俺と付き合わない?てか付き合ってよ」

「え?は?」

「だから、治雄と別れて俺と付き合ってよ」

「いや、無理…だよ」

「そんなに好きなの?治雄の事」

「ん……」

「そっか……でも、じゃあ何で今こうしてるの?俺たち」

「……意地悪だね……」

「ぶっちゃけ、どう?俺」

「どうって?」

「男としてさ、どう思う?」

「どうって…悪くないんじゃない?」

ぶっきらぼうに答える葉子だけど、俺にはそれがまた自分に言い訳しているようにも聞こえた。

「セックスとかは?」

「いや、いいから、そういうの」

「こないだもずっとイキっぱなしだったじゃん」

「……」

「俺も葉子ちゃんとは相性抜群だと思ってるんだけど」

「はいはい……」

「治雄と比べてどお?」

「だから、そういうのいいからって…やだって」

「俺って、彼氏候補にならない?」

「だって秋介君の事よく知らないのに……」

「身体の相性は抜群なのは分かったのにね」

「…………」

「だめ?」

「だって私、あの人の事好きだし……大好きだし。それに秋介君の事全然…」

「じゃあ俺の事もっと知ってよ。明日昼間からデートしよう。セックス抜きでさ」

「無理無理、絶対ダメだよ、そんなの」

「あ、やっぱエッチ付きの方がいい?(笑)」

「…………」

「ごめん。悪かったよ。もう困らせないから」

「…………」

そしてチュッチュッと明らかにキスをする水音。

俺はこういうのが何気に胸にくるものがあった。

「なあ、もう一回、したい」

「……ん」

「口でしてくれる?」

ガサゴソと衣擦れの音がして、秋介の大きなため息一つ。

「あ~、気持ちいいわ」

「……」

「そこ、もちっと強く」

「……」

「そこそこ、あ~」

「……ここ?……ここ?」

「ああ、上手上手」

秋介の気持ち良いところを媚びるように聞く葉子。

秋介に気持ち良くなって欲しくて仕方ないのか、と考えてしまう俺。

好きではなくなったはずの女に対して、まさかの嫉妬心で息苦しさすら感じていた。

「ゴム、付けて」

「ん……」

大きく軋むベッド、挿入の瞬間だろう事が容易に分かる。

「ん…ふぁぁ!」と、情けない声を不意にあげる葉子。

リズミカルな軋み音と、断続的に喘ぎ出す葉子の声が携帯から聞こえてくる。

俺は電話を切って、すぐに葉子の携帯に電話をかけた。

とにかく、今すぐ葉子の素の声が聞きたかったから。

冷静に考えれば、素なわけないのだが。現実を認めたくなかったのかもしれない。

当然、呼び出しが何度も鳴った後、留守電に切り替わった。

「葉子、身体の具合大丈夫か?」

それが俺が振り絞って出せた唯一の言葉。

すぐに秋介に電話。三回鳴って秋介が出た。

「もしもし?」

「秋介、俺だよ」

「ああ、どした?」

「今、やってんだろ?」

「まあ、な……」

何と無く不規則な秋介の返答。

葉子の裸の上で腰を振っている事が簡単に想像できた。

恐らく俺と電話をしているそのすぐ下で、葉子は必死に声を押し殺しているに違いない。

「俺からの電話って、葉子気付いてる?」

「うん」

「俺の電話、鳴ってたよな?」

「ああ」

「でも秋介とやってるから出さなかったんだろ?」

「うん、て言うよりも、自分の意志だよ」

その間も微かに弾む秋介の呼吸。

生々しい事この上ない…

「葉子声我慢してんだな」

「そりゃそうだろ」

「まあ、分かったよ。切るわ…だけど秋介は切らないでくれよ」

「勿論」

「じゃあな……」

「じゃあ」

秋介が携帯を切った「ふり」をした後、すぐに喋り出す葉子。

「やばかった…もう~動かないでよ」

「声出せば良かったのに(笑)」

「ダメ、だよ…は、治雄君から?」

「そうだよ」

「あっ、あっ…な、なんて?」

「別に用なかったみたいだけど」

「どうしよ、あっ!あっ!いや、凄っ!……」

「どうしようって?」

「バれて、ない、かな……あ!あ!あ!あ!あっ!」

「分かんんね、そんなの。ばれてんじゃない?」

「あ!いやぁ、そんなの…あっ!あっ!あっ!あっ!…気持ちいいっ!

そこ!やっ!あぁぁ!あぁぁっ!もう、イクッ!イクッ!イクッ!」

身体のぶつかる音が一層激しくなっていき、葉子が明らかにいき始めた。

喉がヒーヒー言うような、苦しそうとも言える声を出しながらいっていた。

「後ろ向いて」

秋介が一言いった後、再び葉子が大きく喘ぎ出したところで電話が切れた。

その後、秋介に電話しても出る事はなかった。

その夜、秋介から電話があった。

「結局治雄の事がまだ好きなんだって」

「ああ、そう…」

「なに治雄、元気ないな。やっぱ葉子ちゃんとより戻す?」

「ん~、…」

「でもあいつ、俺の事もう忘れられないと思うよ」

「何それ」

「次会ったら俺と付き合うって言わせるつもりだけど(笑)」

「自信満々だな…なんかムカつくな」

「やめとく?俺はどっちでも良いよ」

こう書くと、なんか秋介が凄くいやな奴に聞こえるだろうけど、実際はそうでもない。

彼は基本的に進んで彼女を作ろうとはしていない。

寧ろ今はいらない、って感じ。

だから、俺がもうやめろと言えば素直に従うと思う。この時も今も。

最後に秋介が言った。

「一応治雄に言っておくけど、俺今日はしつこく誘ってないから、葉子ちゃんの事。具合悪いって知ってたからね」

「しつこく誘われたって言ってたのは?」

「ふざけてるんでしょ(笑)タクシーで俺のところ来てくれたよ」

もう時間の問題なんだなと、この時思った。

本当にこれでいいのかな?とか、別れてくれない葉子が悪いんだし、とか中々気持ちが整理出来ないでいた。

だけど、そうしている間にも眈々と葉子に近づいていく秋介。

俺は一週間だけ間を開けてほしいと秋介に頼み、その間に考えていた事を実行した。

今更だけど、葉子の気持ちを確認してみようと。

そしてちゃんとまだ俺の事を真剣に考えてくれるているのであれば、よりを戻すのもありかな、と考えていた。

具合悪いと言って早く帰ったくせに、そのまま秋介の部屋にやりに行った後からの事。

別れようと思っていた女の子なのに、秋介にあれだけ喘がされてるの聞いてちょっと自分の気持ちが分からなくなった。

今まで自分のものだと思っていたのにそれが人に取られそうとなったから勿体無くなったのか?

とも自己分析したんだけど、何と無くそれとは違うような気もしたし。

それを確かめる為に、秋介には一週間一切葉子と連絡を取らないように言った。

翌日から俺は葉子を毎晩部屋に呼んだ。

俺も6時には会社出るようにして、帰りに待ち合わせ、

そのままデートしたり、俺の部屋で晩飯食ったり。

秋介に抱かれた翌日は具合いはもう治ってたみたいだけど、手は出さなかった。

葉子も前日に秋介に抱かれたからか、あんま乗り気じゃなかったし。

だけど次の日からはやりまくった。

デートして、その後部屋でセックスして、というのはなんか昔に戻ったみたいで単純に楽しかったし、葉子もそういうのが凄く嬉しくて楽しいとも言ってくれた。

ベタだけど、タワー登って夜景とか見てる時に嬉しそうに話す葉子のキラキラした横顔見ると、こっちまで楽しくなったりね。

やっぱこいつ美人だよな、とか再認識したり。

人目気にしながらも、どうしてもキスしたくなって困らせたり。

結局するんだけど(笑)しかも舌を絡めるキツイ奴とか。

こうなると、ただ手を繋ぐだけてドキドキする事もあってね、「俺どうしちゃったんだ?」みたいに思う事もあった。

で、こんな感じに俺がなっちゃったもんだから、やっぱりもう少し付き合ってみようと思った。

セックスは毎晩二回はしてたから激しいと言えば激しいのかもしれないけど、以前と大分やり方も変わった。

以前のように葉子の事を考えてするようになった。

優しいというか、気持ちを込めてというか。

ゆっくり時間かけて葉子を最初にいかせてから自分がいく、みたいな。

両手指を絡めながら、いく寸前、

いった後の蕩けるような葉子の表情を見ながら射精すると、本当に快感が倍増するような感じ。

一度だけ生でしたんだけど、二度目はやっぱさせてもらえなくて、でも本当に気持ちの良いセックスをしていた。

そんな生活が一ヶ月くらい経った頃の話。

心の何処かで秋介に言わなきゃ、と思ってはいたんだけど、でも心のどこかでなんで俺の方から敢えて言う必要があるんだ、みたいな思いもあって。

次第にそんな思いも忘れそうになっていった頃の事。

当初のように毎日会う事はその頃はしていなかった。

やっぱり仕事はそれなりに忙しいので、平日に毎日会うのはお互い体力的な事もあって。

その日、残業で一人事務所で仕事をしていた時の事。

時計は9時40分になろうとしていた。

10時になったら帰ろうと思っていたので、はっきりと時間は覚えている。

静まり返ったオフィスにいきなり響くメール着信音。

葉子とは一日に何度もメールをしていたので、

その時も葉子からのものだと思い何気に携帯を見ると、秋介から。

携帯の画面に映された、メールがあまり好きでは無いはずの秋介の名前を見て、一瞬で連絡を断っていた事を後悔した。

まさか、とは思いつつ、恐る恐るメールを開くと「また後で電話するね。取り敢えず、今こんな感じ」と書いてあり、一枚のファイルが添付されていた。

天井を見上げ、深呼吸を一度。

そんなはずは無い、葉子とは完全に元通りになったはずだし……

自分に言い聞かせるようにしながらファイルを開いた。

そこに写っていたのは、曇りガラス越しにシャワーを浴びる裸の女の後ろ姿。

手前には無造作に脱ぎ捨てられた見覚えのある服も見えた。

ああ~…

身体中から力が抜けて自然と出る溜息。

自分が蒔いた種で一喜一憂してる自分自身に、次第に笑わずにいられなくなった。

当たり前だけど、葉子にも意思がある。自分で考えて自分で行動する。

俺の掌だけで踊らされてるものだと、なんと勘違い甚だしいことか。

その頃になって気付いた気がした。

すると矢継ぎ早に携帯が鳴った。

恐る恐る携帯を見ると、オタクからだった…

なんて事は無い、翌日の会議の資料についての確認だった。

要件は数十秒で終わったが、何故か毎日顔を合わせているオタクの声が妙に懐かしく、ついつい話を引き延ばしてしまおうとする俺。

20分位話しただろうか「俺、風呂入りたいんだけど」とオタクが冷静に言った。

が、そこからグダグダと10分は話した。オタクいい奴過ぎる…

既に10時を過ぎていたが、このタイミングでは帰るに帰れない。

取り敢えず、トイレに行って大をしようとした。

そこでまた10分、段々尻が痛くなってきた。結局出なかった(笑)

デスクに戻ると、携帯には音声着信の履歴が三件、どれも秋介から。

それ見て頭の中空っぽ。

次何をすべきか、したいのか、全く考えが纏まらない。思考停止。

でもすぐに四度目の着信。

機械的に電話に出て、耳に当てる。

「あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!」

「声、大きいよw」

「だって!だって!…凄過ぎ、だから!」

「ははは、いいよ、もっと出しても」

「あっ!あっ!あっ!凄いっ!さ、最高!…あっ!あっ!あああっ!あぁぁっ!」

ギッシギッシとベッドが大きく軋む音。

相当激しくセックスしているのがすぐに分かった。

凄過ぎって、なんだよ。

最高って、なんだよ…

カーっと顔が熱くなっていくのが分かった。

「や…いくっ!また…いっちゃうっ!」

ピタリと音がしなくなる。どうも秋介が動きを止めたらしい。

「なんでぇ?ねぇ、どうして?」

切なそうに言う葉子に、囁くように、でも携帯にははっきり聞こえるように秋介が言った。

「俺のセックスと治雄のセックス、どっちがいい?」

「またそんな事……」

「正直に言ってよ、じゃないと動かないよ?」

「やだぁ……」

「別に治雄がいいならそれでもいいから。それが本心ならさ」

「あ、あぁ…凄い、もう本当に…」

「な?どっちのセックスがいい?やっぱ治雄か?」

そして、俺は気を失いそうになった。予想はしていたとはいえ…

「秋介君のが、いい……秋介君の方が、ずっといい…」

「本当に?マジで?俺、凄え嬉しいかも。俺のチンポの方がいいの?」

「…………」

「ちゃんと声に出して言って」

「秋介君の……がいい…」

「聞こえないよ、はっきり言って。俺の何がいいの?」

「チン…ポ」

「聞こえないって。ちゃんと言えって!」

「チンポ…秋介君の、チンポの方が好き…ねぇ、お願いだから……」

チンポなんて言葉はおろか、葉子の口から卑猥な言葉を一切聞いた事がない俺は、それまでピクリともしなかった自分の股間に血流が向かうのを感じた。

こんな時に勃起しそうになる自分に嫌気がさすと同時に、何か避けられない運命みたいなものを感じた。

「よく言ったね。やばいよ、俺、メッチャ興奮してきた」

ギシギシし始めるベッド。

「俺、何回でも出来そう、今夜は。今日泊まっていけよ」

「わ、分かったからぁ…

あっ!あっ!あっ!あっ!凄い!やっぱ凄い、これ!大きいっ!大きいっ!あっ!あっ!」

「いいよ、いけよ、また、いけよ!」

軋み音のペースが速まり、壊れそうな位。

「あっ!激しっ!あっ!あっ!あっ!」

「激しい方が好きなんだろ?」

「ダメっ!凄いっ!あっ!あっ!あっ!あああっ!あああっ!ダメっ!」

やっぱり俺としてる時と全然違う。

切羽詰まった、苦しそうに悶える葉子の声は、俺の時の声とは全然違った。

バチンバチンと肌のぶつかる音が聞こえ、携帯が床に落ちたような、ガタッと大きな音もしたけれど、二人の大きな声は全部丸聞こえだった。

「なあ、葉子!なあ、俺と、付き合えよ…」

「ああ!あっ!あっ!あああっ!あ、お、おかしくなるっ!あっ!凄いっ!やだっ、あっ!あっ!あっ!あっ!あっ!いくっ!いくっ!」

「治雄と、別れて、俺と、付き合えよ!、な?」

「つ、付き合うからっ!秋介君と、付き合う!あっ!あっ!い、いくっ!いくぅぅぅっ!」

苦しそうに喉をヒーヒー鳴らすようにして果てる葉子。

はたから聞くと本当に苦しそうなのに、恐らく俺では与えられない程の快感だからこそ、のものなんだろう。

完全に勃起した俺の股間。また以前のように鬱からくる勃起。

結局俺は葉子とはやり直せないのかも、と考えながら二人のやり取りを聞いていた。

「あぁ~、俺も出そう、あぁ、出そう」

「あ、ふぅっ!…いって…いって……ああああ、凄っ…」

「どこに、出したらいい?どこに欲しい?」

「どこでも、どこでも、いいから、早く…ああ、ねぇ早く」

ガタガタっ!と大きく揺れた後「口開けろ!」という切羽詰まった秋介の声がした。

俺のチンポの先からは信じられない程の先走り液。

薄暗いオフィスで、一人で先走り液でパンツを濡らす情けない俺。

暫く衣擦れの音だけが聞こえ、そして秋介の大きな溜息。

「はは…腰抜けそうw」

「……」

「葉子ちゃんこそ、最高だったよ」

「ん…」

ハァハァ言いながらも少しテンション低そうな葉子の声に対し、普通に話す秋介の声。

息も上がっていない。

「今日は、朝まで、な?」

「う、ん……」

「なあ…もう一度聞くけど、俺と付き合ってくれな?」

「……」

「寂しい思いさせないから」

チュッチュッとキスの音が聞こえた。

合間に、あふんっ、とか凄くエロい葉子の声も聞こえた。

「治雄にちゃんと言えるか?」

「わかんない…」

「俺が言おうか?」

「…ダメ、だよ…私が、言うから…ちゃんと、言うから……」

微かに鼻を啜る葉子。

俺は振られるんだと、改めて思ったが、そもそもそうなる事を望んでいたのに何故か気分が落ち込んだ。とてつもなく。

それは学生時代に大好きな女の子に振られた時と同じ性質のもので、いい年してかなり落胆してしまった。

一旦ここで電話が終わったので、会社を出て飲んだくれた、一人で。

酔って部屋に帰ってそのまま爆睡。

朝早く目が覚めた時、携帯には秋介から五回の着信記録とメールが一通。

葉子からもメールが一通届いていた。

着信の時間は、夜中の一時過ぎと三時過ぎのもの。

秋介のメールは四時位で、中には添付がまた一枚。

微かに二日酔いの頭痛を感じながら、秋介のメールを開いた。

「取り敢えず、任務完了かな。今回はちょっとテコづったわ」

その一文。写メはかなりぶれてはいたが、裸でうつ伏せの葉子で、シーツが半端なく乱れていた。

そして葉子のメールも開いた。

午後11時過ぎに届いていたそのメールを開く時はさすがに正気に戻っていた。

別れて、て書いてあるんだろうな……と思いつつ開くと、一言だけ。

「明日の夜、部屋に行くね。どうしても話したい事があるから」

これはその時は秋介に書かされたものだと思ったけど、後で秋介から聞くと、これは葉子自身で書いたとの事。

恐らくこの時点では本気で俺と別れようと思ったんだろう。

ついでに言うと、その時秋介と会う事になったのは、

なんと葉子から誘われたからとの事だった。

「何してるの?」

「別に」

「そう……」

「……どしたの?急に」

「いや別に」

「俺と会いたくなった?」

「そんなんじゃないし」

「分かりやすいねw」

「違うよ!」

「じゃあ○○日の8時に。いつものところね」

「違うし!そうじゃなくて」

「じゃあ待ってるよ」ガチャン、

らしい。

「なんだかんだ言って凄く可愛い服きて時間通りに来たよ、彼女w」

と笑いながら秋介はあの時の事を俺に話してくれた。

つまり情のみで切れないでいる、という事ですな。

内心そんなもんだろ、とは思ってましたけど。

葉子とのセックスは単純に滅茶苦茶気持ち良いし、彼女は色々と本当に尽くしてくれます。秋介と二股だから、変な束縛とかもないし。

仕事も忙しいから、ストレスのないこういう付き合い方も有りかな?

と考えて現在に至りますが、変に俺融通が効かない所があって、新しい彼女を作る気になれないでいました。

四月からちょっと融通の効く部署に異動にもなるし、そろそろちゃんとしなきゃ、と考えてるところです。

あと、もう一度言っときますけど、会話とかはいちいち覚えていないので、俺が聞いて心に刺さっている部分をやや盛って書いてます。

だから葉子に対して反感持つ人とかいるかもしれませんが、二股かけてる以外は、本当に良い子ですよ。

一応、本人の名誉のため(笑)
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