卒業式の日に校舎脇の非常階段で
- 2022/04/22
- 20:01
私は、いわゆる“今時の女子高生”らしくない方でした。
どちらかと言えば地味で背も低かったので特に目立ったりはせず、異性との付き合いもほとんどありませんでした。
が、クラスメートの大橋くん(仮名)とだけはなぜか仲が良く、まぁぶっちゃけいい感じだったんです。
で、調子こいて告白したらOKしてくれて、人生初の彼氏ができてかなり浮かれてたんですね。
でも、高校3年のその時まで異性とは無縁な生活をしてきただけに、付き合ったはいいものの、どうしたらいいかわかんない!
緊張しまくりだし電話するタイミングで散々悩んだりと、青すぎな日々を送ってる間に振られてしまいました・・・。
3週間で破局です。
もちろん何もありませんでした。
それから以前のようには話せなくなってしまいました。
顔はそこまでカッコイイ方ではないけれど、背の高い大橋くんは、どこにいてもすぐ目に入ってきてしまうので、それがとても辛かったのを覚えています。
そしてそのまま8ヶ月経ち、卒業式を迎えてしまいました。
さすがに8ヶ月も経てば辛い気持ちも薄らいできたし、今日で最後なんだと思うと勇気も湧いてきました。
せめてこの後味の悪さをどーにか決着つけて良い思い出にしたいと思い、話しかけに行ったんです。
大橋くんは少し驚いたような顔をしたけれど、すぐに普通に話してくれてとても嬉しかった。
話題は必然的に8ヶ月前のことになりましたが、卒業生と在校生でごった返しの校庭ではなんとなく話しづらかったので、校舎脇の人気のない非常階段へ移動しました。
この非常階段は壁が高くて外から見えにくいのでサボリ場として有名でしたが、卒業式の今日はさすがに誰もおらず、とても静かでした。
私達は階段に座り、話し始めました。
「あの時はごめんね。経験値不足で迷惑かけちゃったよね」
やっと謝ることができてホッとしていると、「いや、俺もあんま気を回してやれなくてゴメン」と意外にも優しい返事が返ってきて、もう泣けてしまいそうでしたがグッと我慢。
「俺も・・・別に嫌いになったわけじゃなかったんだけど、受験とかあったしさ」
初めて知る大橋くんの真意にまた泣けてきて、今度は我慢できずに泣いてしまいました。
「嫌いになったわけじゃない」という言葉がとても嬉しくて。
大橋くんはちょっと困ったような顔をしてこちらを見ています。
「思い出とか作ってあげられなくて、ゴメン」
さらに優しい言葉をかけられて、もう涙が止まりませんでした。
大橋くんは黙って私が落ち着くのを待っててくれました。
しばらくして私が落ち着いてくると、大橋くんは顔を背けて照れくさそうに呟きました。
「・・・今、思い出作る?」
「へっ?」
正直に出た第一声がこれでした。
その言葉が何を意味しているのかわからずにいると、大橋くんはこちらを向き直り、「キスでもする?」と、はっきり言い直しました。
正直、無神経な男だなと一瞬思ってしまいました。
本人に悪気はないのでしょう。
むしろ親切心だったのでしょう。
(でも、そんな事をしたら、思い出どころか未練が残っちゃうじゃない)
そう思う心とは裏腹に、首は小さく縦に揺れました。
やっぱり一度は好きになった人、惚れた弱みってやつです、どうにもできません。
ギュッと目を閉じると、軽く大橋くんの唇が触れたのがわかりました。
正直あり得ないくらい心臓が脈打っていたのですが、そんな処女丸出しの感情を見せては恥ずかしいと思い、つい、「やっちゃうと、呆気ないよね」などと強がりを吐いてしまいました。
大橋くんが少しムッとしたような表情を見せたので、しまったと思って謝ろうとした瞬間、再び大橋くんの唇が重なり、今度は舌も入ってきました。
今思うとかなりぎこちなくて荒っぽいキスでしたが、初キスの私にとっては全く関係ありません。
とにかく強い刺激となって脳に伝達され、その脳から何かが分泌されて全身に行き渡るような感覚に陥り、全身の力が抜けて後ろに倒れ込みました。
後ろも階段なので絶妙な角度で。
背の高い大橋くんがしゃがんで、ちょうどいい位置に私の顔があります。
一線を越えてしまいそうな予感がしました。
そしてその予感通り、大橋くんは、「じゃ、もう最後までしよ」と、呟いたのです。
背の高い大橋くんは背の低い私を軽々と持ち上げて階段を上り、踊り場の所で再び私を仰向けに寝かせました。
コンクリートの冷たい感触が背中越しに伝わってきます。
いつもはゴミだらけで汚かった非常階段も、卒業式前日の大掃除のためキレイになっていました。
マズイです。
さすがにマズすぎます。
初体験が野外なんて・・・。
そういえば今日、どんなパンツ穿いて来たっけ・・・?
いやいやそれよりも、こんな事をしたら完璧に思い出じゃ済まされなくなる。
そう心では思っていても、やはり抵抗もできません。
「やめて」という言葉は、ついに出ませんでした。
大橋くんは真顔で私のブレザーのボタンを外し、Yシャツのボタンも外し始めましたが、春先とは言え、まだ3月です。
肌寒い風が吹いています。
それに気づいたのか、彼はボタンを外すのを止め、Yシャツの下から手を滑らせてきました。
さり気ない気遣いに彼の優しさが垣間見えました。
私の胸が小さいのか彼の手が大きいのか、大橋くんの手は私の胸をすっぽりと包み込んで愛撫します。
乳首の辺りもグリグリと弄られ、足先までビリビリと痺れるような快感を感じました。
ある一点で彼の手が止まりました。
私の心臓の真上でした。
彼は深く速く脈打つ私の心臓の音を指先で感じ取ると少し微笑み、それと同時にまた荒々しいキスをしてきて、もう私は心が麻痺してきました。
喉の奥から声も漏れてきます。
エロ少女漫画で読んだような激しいものではなく、「ん」とか「う」とかのウ段で呟くような声が口からこぼれ、とても恥ずかしく、顔が熱くなっていきました。
彼もだんだんと息を荒くし始め、それが私の顔にかかってやたらと興奮させられました。
私は完全に8ヶ月前の気持ちに引き戻されていました。
ひょっとしたら彼もそうなのかも知れないと、甘い期待が胸をかすめて行きます。
彼は私のYシャツのボタンをもう1つだけ外し、乳首に舌を這わせてきました。
「これ(ブラ)、邪魔」
彼が独り言のように呟いたのが聞こえました。
彼が規則的に舌を動かすので、私の声も規則的に漏れていきました。
舌での愛撫を続けながら彼は私のスカートの中にまで手を伸ばし、ショーツの横から指を滑り込ませると、グチュという生々しい音が聞こえました。
私は思わず「えっ」と言って彼と顔を見合わせると、彼は不敵な笑みで、「濡れてる」と耳元に囁いてきました。
風に晒されてる手足は少し冷えていましたが、胴体部分と顔はどんどん体温が上がっていくように感じました。
「あー、こんな時に限って勃たねーや」
吐息混じりの声で彼がそう言います。
言葉の意味がよくわからずボーッとしていた私の右手が彼に取られ、そのまま彼のモノへと誘導されました。
(え、な、何?何コレ・・・)
体格差があるせいか彼のモノはかなり大きく感じ、不安と怖さが一気に押し寄せてきました。
「触って」
そう言われたものの、どうしたら良いのか全くわからずに放心していると、彼は自分の右手を重ねてそのまま自ら上下に擦り始めました。
初めて触るそれはとても不思議な感触でした。
とても熱く、脈打っています。
肌寒さで少し冷えた私の手が気持ちいいらしく、何度も声にならない声を発していて、またしてもそれに興奮させられました。
男の人の喘ぎ声ってなんて魅力的なんだろうと、こっそり思ってしまったほどです。
徐々に硬さを増し、先端から液体が出てくると彼は手を離し、「もういい?」と聞いてきました。
その大きさにビビりながらも、もう頷くしかありません。
彼は私のショーツを剥ぎ取ると、ゆっくりと進入してきました。
「・・・うっ・・・ふぅ・・・あ、はぁ・・・」
自分で書いてると非常に恥ずかしいのですが、次第にア段の声が漏れるようになりました。
激しい痛みも何度か感じましたが、痛みのポイントを通過すると少し楽になり、またポイントがやってきて・・・をしばらく繰り返して、何とか根本付近まで入りました。
痛みはだいぶ引いたけれど、かなりキツく、腹部が圧迫されて苦しさを感じていました。
何度か突かれましたが苦しくて・・・。
すると彼はそれを察したように動くのを止め、手を握ってくれました。
それだけで、また涙が出そうでした。
「ありがと、もう平気」
私がそう言うと再び彼はゆっくり動き始めました。
痛みは半分以下に治まり、苦しさにも慣れてくると、今度は今までに感じたことのない痺れを感じ始め、次第に気持ちよさに変わっていきました。
動きは少しずつ加速していき、吐息と一緒に混じる声もどんどん激しくなっていきます。
「はぁ、あっ・・・大橋くん、大橋くん・・・!」
何度も彼の名前を呼び、「いい、鈴木さん。すげーいい」と彼も何度か私の名前を呼んでくれました。
しかし快楽に溺れていく心の隅で、何か小さな違和感を感じ始めました。
今にも「好き」と言ってしまいそうなのを、無意識に押し殺している自分に気づいたのです。
(なぜ言えないのだろう?)
クラクラする頭で考えていたのですが、グチュグチュと卑猥な音が脳内にまで響き、もう頭は上手く働きません。
「鈴木さん、どうしよ。俺もうイク・・・!」
その言葉にハッと現実に戻されました。
「えっ・・・ゴムは・・・?」
「ゴメン、持ってなかった」
「えぇ~!?」
そうこうしている間に彼は果ててしまいました。
間一髪で中出しは避けられましたが、スカートの上に思い切り引っかけられてしまいました。
「あぁ、スカートが・・・」
彼はバツが悪そうに自分の汗をYシャツの袖で拭い、そして私にハンカチを差し出しました。
「ゴメン。まぁでも良いじゃん。もう着ないんだし」
その彼の言葉で、私は一瞬固まってしまいました。
(そうか、今日で卒業だったんだっけ・・・)
今さらながら“これで最後なのだ”という実感が湧いてきたのです。
そして、少し冷静になった私の頭に、さっきの違和感の正体がフッと思い浮かびました。
そう、彼からは一度も「好きだ」という言葉を聞いたことがなかったのです。
そしてこれからも、その言葉が彼の口から私へ発せられることはないのだろうと悟りました。
これからよりを戻す気であるならば、何も今日、こんな所で無理にしなくても良かったはずです。
「思い出作り」と言った彼の最初の言葉も思い出しました。
これはあくまで思い出作り、ただのボランティアセックスか、もしくはそれ以下の意味合いしか持たないものだったのかも知れません。
少なくとも彼にとっては・・・。
私は急に天国から地獄へ突き落とされたような気分になりました。
「そろそろ帰ろうか?」
彼は私に背を向けてそう言いました。
このまま「最低!」とでも言って突き飛ばしてやれれば少しは楽になれたかも知れませんが、8ヶ月前の気持ちを取り戻した私にはもうそんな事をする余地もなく、そんな気にもなれませんでした。
ただもう無気力感だけが襲ってきます。
さっきまでは明るかったのに、気が付けばもう日が落ちかけていました。
「そこまで送ってくよ」
彼はそう言って校門に向かって歩き出しました。
もう校庭には誰もいません。
私は彼の3歩後ろを歩き、彼にバレないように涙を拭いていました。
そして祈っていたのです。
このまま彼が振り返って、「もう一度やり直そう」と言ってくれるのを。
そこまで言わないまでも、「また会おう」と言ってくれるのを期待しました。
しかし、ついにお互い無言のままに校門に着いてしまいました。
お互いの家の方向は真逆なので、もうここで別れなくてはなりません。
彼はここでやっと振り返り、初めて私が泣いているのを見つけると、また困ったような表情を浮かべました。
「やり直したい」という言葉は何度か口の端からこぼれそうになりましたが、その度に振られた時のことを思い出し、言葉にならずに喉の奥へと消えて行きました。
その記憶を乗り越えて再び告白するなど、当時の青い私には到底無理な芸当でした。
彼も何か言いたそうにしていましたが、結局何も言わず、しばらくして、「あの時、告白してくれてありがとう。元気で」とだけ言い残し、私に背を向けて歩き出しました。
それ以来、彼と会うことはなかったし、連絡を取ることもありませんでした。
しかし私は今でもその思い出を鮮明に覚えています。
あの時に飲み込んだ、「好き」という言葉と一緒に。
★★★おすすめのエッチな体験談★★★
どちらかと言えば地味で背も低かったので特に目立ったりはせず、異性との付き合いもほとんどありませんでした。
が、クラスメートの大橋くん(仮名)とだけはなぜか仲が良く、まぁぶっちゃけいい感じだったんです。
で、調子こいて告白したらOKしてくれて、人生初の彼氏ができてかなり浮かれてたんですね。
でも、高校3年のその時まで異性とは無縁な生活をしてきただけに、付き合ったはいいものの、どうしたらいいかわかんない!
緊張しまくりだし電話するタイミングで散々悩んだりと、青すぎな日々を送ってる間に振られてしまいました・・・。
3週間で破局です。
もちろん何もありませんでした。
それから以前のようには話せなくなってしまいました。
顔はそこまでカッコイイ方ではないけれど、背の高い大橋くんは、どこにいてもすぐ目に入ってきてしまうので、それがとても辛かったのを覚えています。
そしてそのまま8ヶ月経ち、卒業式を迎えてしまいました。
さすがに8ヶ月も経てば辛い気持ちも薄らいできたし、今日で最後なんだと思うと勇気も湧いてきました。
せめてこの後味の悪さをどーにか決着つけて良い思い出にしたいと思い、話しかけに行ったんです。
大橋くんは少し驚いたような顔をしたけれど、すぐに普通に話してくれてとても嬉しかった。
話題は必然的に8ヶ月前のことになりましたが、卒業生と在校生でごった返しの校庭ではなんとなく話しづらかったので、校舎脇の人気のない非常階段へ移動しました。
この非常階段は壁が高くて外から見えにくいのでサボリ場として有名でしたが、卒業式の今日はさすがに誰もおらず、とても静かでした。
私達は階段に座り、話し始めました。
「あの時はごめんね。経験値不足で迷惑かけちゃったよね」
やっと謝ることができてホッとしていると、「いや、俺もあんま気を回してやれなくてゴメン」と意外にも優しい返事が返ってきて、もう泣けてしまいそうでしたがグッと我慢。
「俺も・・・別に嫌いになったわけじゃなかったんだけど、受験とかあったしさ」
初めて知る大橋くんの真意にまた泣けてきて、今度は我慢できずに泣いてしまいました。
「嫌いになったわけじゃない」という言葉がとても嬉しくて。
大橋くんはちょっと困ったような顔をしてこちらを見ています。
「思い出とか作ってあげられなくて、ゴメン」
さらに優しい言葉をかけられて、もう涙が止まりませんでした。
大橋くんは黙って私が落ち着くのを待っててくれました。
しばらくして私が落ち着いてくると、大橋くんは顔を背けて照れくさそうに呟きました。
「・・・今、思い出作る?」
「へっ?」
正直に出た第一声がこれでした。
その言葉が何を意味しているのかわからずにいると、大橋くんはこちらを向き直り、「キスでもする?」と、はっきり言い直しました。
正直、無神経な男だなと一瞬思ってしまいました。
本人に悪気はないのでしょう。
むしろ親切心だったのでしょう。
(でも、そんな事をしたら、思い出どころか未練が残っちゃうじゃない)
そう思う心とは裏腹に、首は小さく縦に揺れました。
やっぱり一度は好きになった人、惚れた弱みってやつです、どうにもできません。
ギュッと目を閉じると、軽く大橋くんの唇が触れたのがわかりました。
正直あり得ないくらい心臓が脈打っていたのですが、そんな処女丸出しの感情を見せては恥ずかしいと思い、つい、「やっちゃうと、呆気ないよね」などと強がりを吐いてしまいました。
大橋くんが少しムッとしたような表情を見せたので、しまったと思って謝ろうとした瞬間、再び大橋くんの唇が重なり、今度は舌も入ってきました。
今思うとかなりぎこちなくて荒っぽいキスでしたが、初キスの私にとっては全く関係ありません。
とにかく強い刺激となって脳に伝達され、その脳から何かが分泌されて全身に行き渡るような感覚に陥り、全身の力が抜けて後ろに倒れ込みました。
後ろも階段なので絶妙な角度で。
背の高い大橋くんがしゃがんで、ちょうどいい位置に私の顔があります。
一線を越えてしまいそうな予感がしました。
そしてその予感通り、大橋くんは、「じゃ、もう最後までしよ」と、呟いたのです。
背の高い大橋くんは背の低い私を軽々と持ち上げて階段を上り、踊り場の所で再び私を仰向けに寝かせました。
コンクリートの冷たい感触が背中越しに伝わってきます。
いつもはゴミだらけで汚かった非常階段も、卒業式前日の大掃除のためキレイになっていました。
マズイです。
さすがにマズすぎます。
初体験が野外なんて・・・。
そういえば今日、どんなパンツ穿いて来たっけ・・・?
いやいやそれよりも、こんな事をしたら完璧に思い出じゃ済まされなくなる。
そう心では思っていても、やはり抵抗もできません。
「やめて」という言葉は、ついに出ませんでした。
大橋くんは真顔で私のブレザーのボタンを外し、Yシャツのボタンも外し始めましたが、春先とは言え、まだ3月です。
肌寒い風が吹いています。
それに気づいたのか、彼はボタンを外すのを止め、Yシャツの下から手を滑らせてきました。
さり気ない気遣いに彼の優しさが垣間見えました。
私の胸が小さいのか彼の手が大きいのか、大橋くんの手は私の胸をすっぽりと包み込んで愛撫します。
乳首の辺りもグリグリと弄られ、足先までビリビリと痺れるような快感を感じました。
ある一点で彼の手が止まりました。
私の心臓の真上でした。
彼は深く速く脈打つ私の心臓の音を指先で感じ取ると少し微笑み、それと同時にまた荒々しいキスをしてきて、もう私は心が麻痺してきました。
喉の奥から声も漏れてきます。
エロ少女漫画で読んだような激しいものではなく、「ん」とか「う」とかのウ段で呟くような声が口からこぼれ、とても恥ずかしく、顔が熱くなっていきました。
彼もだんだんと息を荒くし始め、それが私の顔にかかってやたらと興奮させられました。
私は完全に8ヶ月前の気持ちに引き戻されていました。
ひょっとしたら彼もそうなのかも知れないと、甘い期待が胸をかすめて行きます。
彼は私のYシャツのボタンをもう1つだけ外し、乳首に舌を這わせてきました。
「これ(ブラ)、邪魔」
彼が独り言のように呟いたのが聞こえました。
彼が規則的に舌を動かすので、私の声も規則的に漏れていきました。
舌での愛撫を続けながら彼は私のスカートの中にまで手を伸ばし、ショーツの横から指を滑り込ませると、グチュという生々しい音が聞こえました。
私は思わず「えっ」と言って彼と顔を見合わせると、彼は不敵な笑みで、「濡れてる」と耳元に囁いてきました。
風に晒されてる手足は少し冷えていましたが、胴体部分と顔はどんどん体温が上がっていくように感じました。
「あー、こんな時に限って勃たねーや」
吐息混じりの声で彼がそう言います。
言葉の意味がよくわからずボーッとしていた私の右手が彼に取られ、そのまま彼のモノへと誘導されました。
(え、な、何?何コレ・・・)
体格差があるせいか彼のモノはかなり大きく感じ、不安と怖さが一気に押し寄せてきました。
「触って」
そう言われたものの、どうしたら良いのか全くわからずに放心していると、彼は自分の右手を重ねてそのまま自ら上下に擦り始めました。
初めて触るそれはとても不思議な感触でした。
とても熱く、脈打っています。
肌寒さで少し冷えた私の手が気持ちいいらしく、何度も声にならない声を発していて、またしてもそれに興奮させられました。
男の人の喘ぎ声ってなんて魅力的なんだろうと、こっそり思ってしまったほどです。
徐々に硬さを増し、先端から液体が出てくると彼は手を離し、「もういい?」と聞いてきました。
その大きさにビビりながらも、もう頷くしかありません。
彼は私のショーツを剥ぎ取ると、ゆっくりと進入してきました。
「・・・うっ・・・ふぅ・・・あ、はぁ・・・」
自分で書いてると非常に恥ずかしいのですが、次第にア段の声が漏れるようになりました。
激しい痛みも何度か感じましたが、痛みのポイントを通過すると少し楽になり、またポイントがやってきて・・・をしばらく繰り返して、何とか根本付近まで入りました。
痛みはだいぶ引いたけれど、かなりキツく、腹部が圧迫されて苦しさを感じていました。
何度か突かれましたが苦しくて・・・。
すると彼はそれを察したように動くのを止め、手を握ってくれました。
それだけで、また涙が出そうでした。
「ありがと、もう平気」
私がそう言うと再び彼はゆっくり動き始めました。
痛みは半分以下に治まり、苦しさにも慣れてくると、今度は今までに感じたことのない痺れを感じ始め、次第に気持ちよさに変わっていきました。
動きは少しずつ加速していき、吐息と一緒に混じる声もどんどん激しくなっていきます。
「はぁ、あっ・・・大橋くん、大橋くん・・・!」
何度も彼の名前を呼び、「いい、鈴木さん。すげーいい」と彼も何度か私の名前を呼んでくれました。
しかし快楽に溺れていく心の隅で、何か小さな違和感を感じ始めました。
今にも「好き」と言ってしまいそうなのを、無意識に押し殺している自分に気づいたのです。
(なぜ言えないのだろう?)
クラクラする頭で考えていたのですが、グチュグチュと卑猥な音が脳内にまで響き、もう頭は上手く働きません。
「鈴木さん、どうしよ。俺もうイク・・・!」
その言葉にハッと現実に戻されました。
「えっ・・・ゴムは・・・?」
「ゴメン、持ってなかった」
「えぇ~!?」
そうこうしている間に彼は果ててしまいました。
間一髪で中出しは避けられましたが、スカートの上に思い切り引っかけられてしまいました。
「あぁ、スカートが・・・」
彼はバツが悪そうに自分の汗をYシャツの袖で拭い、そして私にハンカチを差し出しました。
「ゴメン。まぁでも良いじゃん。もう着ないんだし」
その彼の言葉で、私は一瞬固まってしまいました。
(そうか、今日で卒業だったんだっけ・・・)
今さらながら“これで最後なのだ”という実感が湧いてきたのです。
そして、少し冷静になった私の頭に、さっきの違和感の正体がフッと思い浮かびました。
そう、彼からは一度も「好きだ」という言葉を聞いたことがなかったのです。
そしてこれからも、その言葉が彼の口から私へ発せられることはないのだろうと悟りました。
これからよりを戻す気であるならば、何も今日、こんな所で無理にしなくても良かったはずです。
「思い出作り」と言った彼の最初の言葉も思い出しました。
これはあくまで思い出作り、ただのボランティアセックスか、もしくはそれ以下の意味合いしか持たないものだったのかも知れません。
少なくとも彼にとっては・・・。
私は急に天国から地獄へ突き落とされたような気分になりました。
「そろそろ帰ろうか?」
彼は私に背を向けてそう言いました。
このまま「最低!」とでも言って突き飛ばしてやれれば少しは楽になれたかも知れませんが、8ヶ月前の気持ちを取り戻した私にはもうそんな事をする余地もなく、そんな気にもなれませんでした。
ただもう無気力感だけが襲ってきます。
さっきまでは明るかったのに、気が付けばもう日が落ちかけていました。
「そこまで送ってくよ」
彼はそう言って校門に向かって歩き出しました。
もう校庭には誰もいません。
私は彼の3歩後ろを歩き、彼にバレないように涙を拭いていました。
そして祈っていたのです。
このまま彼が振り返って、「もう一度やり直そう」と言ってくれるのを。
そこまで言わないまでも、「また会おう」と言ってくれるのを期待しました。
しかし、ついにお互い無言のままに校門に着いてしまいました。
お互いの家の方向は真逆なので、もうここで別れなくてはなりません。
彼はここでやっと振り返り、初めて私が泣いているのを見つけると、また困ったような表情を浮かべました。
「やり直したい」という言葉は何度か口の端からこぼれそうになりましたが、その度に振られた時のことを思い出し、言葉にならずに喉の奥へと消えて行きました。
その記憶を乗り越えて再び告白するなど、当時の青い私には到底無理な芸当でした。
彼も何か言いたそうにしていましたが、結局何も言わず、しばらくして、「あの時、告白してくれてありがとう。元気で」とだけ言い残し、私に背を向けて歩き出しました。
それ以来、彼と会うことはなかったし、連絡を取ることもありませんでした。
しかし私は今でもその思い出を鮮明に覚えています。
あの時に飲み込んだ、「好き」という言葉と一緒に。